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2026.01.26 税務コラム
【2026年最新】住宅ローンの堅実な選び方 金利上昇局面で変動か固定か迷ったら?/税務コラム〜[vol.027]
「今は変動金利を選んでも大丈夫なのか?」「将来、返済額が跳ね上がったらどうしよう…」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。住宅ローンの金利タイプ選びは、返済総額を数百万円単位で左右する重要な決断です。しかし、SNSやネットの情報を鵜呑みにするのは危険です。なぜなら、正解は金利の動向だけでなく、あなたの「家計のゆとり」や「将来のライフプラン」によって一人ひとり異なるからです。
本記事では、金利上昇時代に突入した今だからこそ知っておきたい、変動金利と固定金利の違いを解説。上昇リスクをどう見極め、どう備えるべきか、自分に最適なプランを見つけるための「具体的な判断基準」をお伝えします。
CONTENTS
変動金利と固定金利の基本的な違い
まずは、変動金利と固定金利の違いを正しく理解することが大切です。
変動金利とは
変動金利は、市場金利の変動に応じて適用金利が定期的に見直される金利タイプです。適用金利は短期プライムレートなどの指標に連動して上下します。一般的には半年ごとに金利の見直しが行われ、5年ごとに返済額の再計算がなされます。ただし、急激な金利上昇による返済額の急増を防ぐため、再計算後の返済額の増減は原則として「前回の返済額の1.25倍まで」という上限ルールが設けられています。
固定金利とは
固定金利は、借入時に決められた金利が一定期間、あるいは返済終了まで変わらない金利タイプです。「全期間固定金利」や「固定期間選択型(金利を3年・5年・10年など一定期間固定する)」などの種類があります。代表的な全期間固定金利商品には「フラット35」があります。
変動金利と固定金利のメリットとデメリット
両者には明確なメリットとデメリットがあり、自分のライフスタイルやリスク許容度に応じて選ぶ必要があります。
変動金利のメリット・デメリット
| メリット | ・固定金利よりも初期金利が低いことが多く、月々の返済負担が軽い ・金利が下がれば、自動的に返済額が減る可能性がある ・借入総額を抑えられる可能性が高い | ||
|---|---|---|---|
| デメリット | ・金利上昇リスクがあり、将来的に返済額が増加する可能性がある ・金利動向に対する知識や定期的な情報収集が必要 ・返済計画が立てにくい(長期的な予測が困難) | ||
固定金利のメリット・デメリット
| メリット | ・借入時に返済額が確定するため、家計管理がしやすい ・金利上昇局面でも返済額は変わらないため、安心感がある ・長期的なライフプランを立てやすい | ||
|---|---|---|---|
| デメリット | ・初期金利が高く、当初の返済額が大きくなる傾向がある ・市場金利が下がっても恩恵を受けられない ・一定期間固定型では、固定期間終了後に変動金利に移行するリスクがある | ||
変動金利と固定金利どちらを選ぶべきか?判断のポイント
金利の将来予測は難しい
「今後、金利は上がるのか?下がるのか?」という問いに対して、正確に答えるのは専門家でも困難です。日本では長らく超低金利が続いてきましたが、日銀の金融政策や海外経済の影響によっては、今後金利が上昇する可能性も否定できません。つまり、「金利の動きは読めない」という前提に立って考えることが大切です。
家計の余裕とリスク許容度
もしも金利が上昇しても十分に対応できる余裕がある場合は、変動金利による低金利の恩恵を受けるのも一つの戦略です。逆に、子育てや教育費、老後資金などで今後の支出が多くなると予想される家庭では、固定金利で返済額を一定にしておく方が安心といえるでしょう。
借入期間と金額
短期間でローンを完済する予定がある場合は、変動金利の方が有利になるケースが多いです。なぜなら、金利上昇の影響を受ける前に返済が終わる可能性があるためです。一方、長期間のローンを組む場合は、固定金利によって金利上昇リスクを避けた方が無難でしょう。
具体的なシミュレーションとケーススタディ
具体的な人生計画に落とし込むことで、金利の選択のイメージが湧いてきます。
ケース1:リスク選好型・DINKS(Double Income No Kids)夫婦
| 属性 | 夫30歳、妻30歳(共働き、子なし、世帯年収1,200万円) | ||
|---|---|---|---|
| 借入額 | 5,000万円(期間35年) | ||
| 特徴 | 高収入、資金繰りに余裕あり、早期の繰上返済を計画 | ||
| 特徴 | 変動金利 | ||
変動金利のメリットである「低いスタート金利」を最大限に享受し、収入の余裕から金利が上昇する前に積極的に繰上返済を行い、元本を減らす戦略が有効です。金利が上がったとしても、貯蓄で対応できるバッファがあります。
ケース2:安定志向型・シングルインカム家庭
| 属性 | 夫40歳(単独生計、年収600万円)、妻と子2人(教育費ピークを控える) | ||
|---|---|---|---|
| 借入額 | 3,000万円(期間30年) | ||
| 特徴 | 収入の増加が見込みにくい、15年後に教育費のピーク | ||
| 特徴 | 固定金利 | ||
教育費のピークと金利上昇が重なるリスクを完全に排除する必要があります。変動金利の上昇により家計が圧迫されると、子供の教育に影響が出かねません。固定金利で30年間の返済額を確定させることで、家計管理が容易になり、教育費のための貯蓄計画を安心して立てられます。高い安心料を払うという選択です。
ハイブリッド型の選択肢もある
最近では、「ミックスローン」や「固定期間選択型」など、変動と固定のいいとこ取りをした商品も増えています。
ミックスローン
ミックスローンは、ローンの一部を固定金利、もう一部を変動金利にするという方法です。たとえば、借入金の50%を固定金利、残りの50%を変動金利にするといった具合です。これにより、金利上昇リスクと低金利のメリットをバランスよく享受することが可能になります。
固定期間選択型
例えば、10年固定のローンでは、最初の10年間は金利が変わりませんが、その後は変動金利に切り替わるケースがほとんどです。固定期間終了後の金利が大きく上昇する可能性もあるため、「固定期間後も返済可能かどうか」を見極める必要があります。
金利タイプ選びに役立つチェックリスト
以下のチェックリストを参考にして、自分に合った金利タイプを検討してみましょう。
| チェック項目 | 該当すれば… |
|---|---|
| 今後の家計支出に大きな変動がない | 変動金利も選択肢に |
| 教育費や老後資金が心配 | 固定金利が安心 |
| 金利の知識に自信がある | 変動金利で柔軟に対応 |
| 長期間ローンを組む予定 | 固定金利でリスク回避 |
| 短期間での繰り上げ返済を考えている | 変動金利が有利 |
| 万が一の金利上昇に備える余裕がない | 固定金利で返済額を確定 |
まとめ:最終的な判断は「安心感」と「納得感」
どちらの金利タイプにも一長一短があり、完璧な答えは存在しません。大切なのは、自分のライフプランや家計状況、将来のリスク許容度をしっかりと把握したうえで、「どちらがより自分に合っているか」を見極めることです。そして、選んだ結果に納得し、安心して住宅ローンを返済できることが、もっとも重要なポイントです。
変動金利と固定金利の選択は、住宅ローンを組むうえで最も重要な判断のひとつです。金利の動向を予測するのは困難であり、それぞれの金利タイプには異なるリスクとメリットが存在します。最終的には、自分と家族のライフプランや家計状況に照らし合わせて判断することが成功への鍵です。不安な場合は、ファイナンシャルプランナーや銀行の住宅ローンアドバイザーに相談するのもよいでしょう。人生で最も高額な買い物だからこそ、納得のいく選択をしたいものです。
監修者プロフィール
川口 誠(カワグチ マコト)
国税局では高度な調査力が必要とされる調査部において、10年以上にわたって上場企業や外国法人等の税務調査に従事する。また、国税庁においては、全国の国税局にある調査部の監理・監督を行い、国税組織の事務運営にも携わる。
略歴
平成24~28年 東京国税局 調査第四部各調査部門、調査第一部調査管理課
平成29~30年 国税庁 調査査察部 調査課
令和元~5年 東京国税局 調査第一部 国際調査課、国際調査管理課、広域情報管理課
令和6年 ON税理士法人と業務提携
実績
中小企業から上場企業等まで100以上の会社の税務調査を行う。
メディア・著書
「元国税の不動産専門税理士が教える!不動産投資 節税の教科書」
資格・免許
税理士
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